Yokohama F・Marinos

2025 ホーム最終戦スペシャルコラム

2025/11/20 クラブ

横浜F・マリノスを信じて支え続けてくれたすべての人へ感謝を伝える最高の舞台へ

 とにかく苦しい1年だった――。

 2度の監督交代、選手の相次ぐ負傷離脱、クラブ史上初のリーグ戦7連敗、長くチームを引っ張ってきた功労者たちの移籍……。今シーズン起こったネガティブな出来事を挙げればキリがない。

  リーグ戦開幕からの16試合でわずか1勝しかできず、4月下旬から約3ヶ月にわたって最下位に沈んでいた横浜F・マリノスがJ1リーグ残留を決められたのは、横浜F・マリノスに関わるすべての人が信じ、ともに闘いつづけたからである。

京都サンガF.C.戦

  11月9日にアウェイで行われたJ1リーグ第36節の京都サンガF.C.戦。トリコロールの戦士たちは魂のこもった戦いを披露し、3-0での勝利とともに、いつしか今シーズン最大の目標になっていたJ1リーグ残留を成し遂げた。

喜田拓也選手

  「本当に毎日が闘いでした」

  激闘を終えたキャプテンの喜田拓也は、自然と涙を流した。

「シーズンを通して、改めてこのクラブの価値を感じてきて、最後に何を示せるか。やはり伝統や歴史を死に物狂いで守ることは必要だったので、文字通り自分のすべてを投げうって闘いました。

 ただ、僕1人が頑張ったわけではなくて、多くの仲間が助けてくれたことは伝えたい。偉大なOBの方々、かつて一緒に闘ったチームメイト、今のチームメイト、スタッフ、クラブに関わるすべての人がチームを助けてくれました。そのサポートへの感謝が一番大きいです」

  F・マリノスに関わるすべての人たちがどれだけクラブを愛しているのか。困難な時にその愛情の深さを肌で感じたからこそ、喜田を始めとした選手たちは最後まで可能性を信じて戦うことができた。

 セレッソ大阪と対戦するホーム最終戦は、どんなに苦しくてもF・マリノスを信じて支え続けてくれた人々へ感謝を伝えるのにふさわしい最高の舞台だ。幸せな瞬間だけではなく、悔しさや悲しみ、怒り、痛みをも分かち合い、どんな時も共に戦ってきた人たちへの想いを、選手たちはプレーに乗せる。

角田涼太朗選手

  角田涼太朗は言った。

「今年1年間、ファン・サポーターの皆さんは後押ししかできず、もどかしい状況で、選手たち以上に苦しい思いをしたと思います。J1残留を決めた今だからこそ、心から純粋にサッカーを楽しんでもらいたいし、楽しんでもらえるような試合をしたいです。そのためには自分たちが見せられる最大のものを見せなければいけないと思っています」

  J1リーグ残留が決まったとはいえ、これまでの試合で見せてきた貪欲にゴールを奪いにいく姿勢を変えることはない。攻撃も守備も最大出力で臨み、目指すのは連勝を「4」に伸ばすことだけだ。

 大島秀夫監督も「本当に苦しい時でもずっと応援し続けてくれて、支えてくれて、助けてくれた方々への感謝を込めて、皆さんに逆に勇気を与えられるようなサッカーを最後の最後までできれば」と意気込んでいた。

 セレッソ大阪戦では、F・マリノスが未来へと進もうとする意志を見せたい。もう2度と残留争いに巻き込まれることなく、常に優勝を争えるクラブになるために。かつてなく苦しんだ1年の集大成は、横浜F・マリノスに関わるすべての人が一丸となって再び頂点を目指す来シーズンへの第一歩だ。

トリコロールをまとう戦士たちよ、日産スタジアムで魂のすべてを解き放て。

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