ACL2023/24 準決勝 第2戦 蔚山現代戦 試合後監督会見
無料記事 試合 コメント ハリーキューウェル
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Q:試合の総括をお願いします。

どこから話そうかなという感じです。自分がこのチームに来た時にはすでにグループステージを突破し、決勝トーナメントからという形でした。準備期間もそこまで長くはなかった中で、選手たちはやろうとしている自分たちのサッカーという部分にすごくアジャストしながらやってくれたなと思っています。ACLを戦う中で、今年のスタートでタイに行ってから今日まで、すべての試合において楽な試合は本当になかったです。常に全てを出し切って試合をやってくれたなと思っています。今日の試合でも、前半の36分過ぎくらいまでは自分たちがやってきたサッカーという部分で、1つのチームがサッカーをしっかりとプレーしていたと見えました。やはり自分たちの色々な攻撃パターンが上手くいき、しっかりと支配していたと思います。蔚山に関しても特に攻撃をさせていなかった印象でした。その中で1点目が入り、2点目が入り、少しカオスな状況になってしまいました。それでも本当に1人ひとりの選手が、1人少ない状況を90分以上戦って、素晴らしい結果を残してくれたと思います。チームが本当に一丸となって最後の最後までやり遂げる。もちろん運というところもありました。でも、自分たちはあのような状況の中でもチャンスを作り、本当に1人ひとりがこの試合にかける想いがあったと思います。自分は全員に対して感謝の気持ちでいっぱいです。そして決勝に行けたというところで、まずはみんなにおめでとうと言いたいと思います。

Q:前半はロペス選手を起点に蔚山のビルドアップを片方のサイドに追いやるプレッシングが機能していたと思います。第1戦に比べてハイプレスの強度に関しての評価は?

プレスに関して第1戦よりも今日が良かったと言っていましたけど、自分は別にそうは思わないです。やはりアウェイの1stレグでもプレスは良かったと思っています。やはり良いプレスをし続けることが大事だと思っていますし、プレスのところはロペスが1人でどうこうではなく、個人でできるものではないです。やはりこれはチーム一丸となって、1人ひとりの役割のところでしっかりと追いやる。そういう部分があります。今夜の試合の中でもそういったところはしっかり出ていたなと思っています。ロペスは攻撃の選手ですが、守備の最初の選手です。逆にゴールキーパーのポープは攻撃のスタートになります。そういう部分もありながら、今日は自分たちが思っていたような形にできた部分がありましたし、たくさん支配していました。1人少ない状況になってしまった時になかなか自分たちが思うようなサッカーができませんでした。でも、それはサッカーでは起こり得ることです。その中で自分たちはどのように戦わないといけないのか。そこだと思っています。ですが、本当に選手たちは1人ひとりがやるべきことをやり、しっかりと最後まで結果を求めてやったことだと思います。誇りに思っています。

Q:日本に来て4ヶ月になりますが、監督キャリアの中でなかなか結果が出ていなかった中で、日本に来てから何が結果に出ていると思いますか?

自分は指導者になってから日々楽しく過ごさせてもらっています。すべて自分にとっては日々学びなんです。選手たちもそうですけど、やはり1人ひとりが学ぼうとする姿勢は本当に日本に来てから特に思います。学ぼうとする姿勢、サッカーに取り組む姿勢が素晴らしいです。自分もそういう選手を見てからではなく、やはり自分が指導者になってからそういった学ぶ姿勢を忘れているわけではありません。自分がここに来てからもそうです。新しいこともありながら学ぼうとしました。それは今も続けています。そして結果も色々と言う人たちが多いと思いますが、もちろん結果も大事だと思います。でも、自分はそれ以上にどれだけ学び、選手たちに落とし込んでいくか。そこが大事だと思っています。自分がこのクラブに来るまでに、皆さんご存知のように素晴らしい2人の監督がここで指導していました。自分が来日して初日に言いましたが、すべてにおいて素晴らしいベースが整った中で自分がここに来ました。それをただやるだけではなく、そこにほんの少しの自分の要素も含めながらここまで来ています。そして選手たちはやろうとする姿勢、自分が求めているところを学んで実行する。そういうところすべてに選手たちは関わっていますし、やろうとしてくれています。やはりエンターテインメント性のあるこのサッカーを続ける。そして選手たちがそれを日々学び、しっかりとピッチ上で表現する。自分はそこを見てきています。まだまだこれからもその道は続くと思います。これをやめることなくやっていきたいと思っています。また残りの試合もあるのでそこにしっかりと落とし込んでいければと思います。

Q:退場者を出した後、どのような考えでチームの形を変えていましたか?

正直、プランにおいてはまず退場すると思っていなかったです。予想もできなかったことが起きた中で、自分たちは試合が始まる前まではしっかりとこの試合に対して支配しようという考えでやっていました。ですが、あのような状況になった時に1番大事なのはやはり柔軟性だと思います。彼らが今どのような強みを持って試合運びをしているのか。相手がオーバーラップしてサイドを使い、クロスを上げてシュートまで持っていく。あとは中央につけて、フリーな選手がいてシュートというのがありました。自分たちは10人で戦う時間が本当に長かったです。ロペスを前に残して、自分たちにも少なからずチャンスが来るのではないかと信じてあのように前残りにしました。オープンなプレーが続く中で自分たちにもやはり運があったと思います。正直、自分たちが10人になってから相手にもたくさんのチャンスがあったと思います。テンポも素晴らしく、相手もどんどん攻めてきました。そういう時こそ基本に戻り、10人になったとしても守備はすごく大事な要素だと思います。10人になった時に本当に1人ひとりがよく守ってくれたなと思います。試合の中での様々な部分の変更は、あまり複雑なことを言ってしまうと混乱を招く、そういうことがあると思うので、シンプルに自分は伝えて、選手たちが柔軟性を持って対応してくれた。そしてあそこまで戦えたと思っています。

Q:10人になってから90分を戦い、PK戦にもつれ込みました。どのくらい難しい状況でプレッシャーがあったか?

パターンを変えたりとか、いろんなことを変えたがる監督はいると思います。やはり大事なのは、そういうプレッシャーの中で自信を持ってどれだけやれるかだと思います。やはりあそこまで自分たちが11人の時は特に怖がらず自分たちのサッカーをやっていました。けど、最後の最後まで10人で長く戦わなければいけなかった。正直、最後の残り僅かの時間は後ろを5枚にしました。なぜかと言うと、相手のフォワードの大きな9番の選手が入ってきたことでクロスが本当に増えました。90分以上を10人で戦わなければいけなかったことは、やはり本当に簡単ではなかったです。自分たちはACLを戦っているだけではなく、自分たちの国内のリーグも戦っている中での疲れは正直ありました。

選手たちにもずっと伝えてきたことですけど、人生やこういう大会において、準決勝が1番難しい。決して簡単な道のりではないですし、この準決勝こそが本当に鍵だと伝えました。選手たちは限界までしっかりとやってくれたと思います。PKにおいては自分も含めて自分以上に選手たちが落ち着いていてくれたと思いました。PKに入る前もしっかりと自信がついている選手たちも多かったです。その中でここまでできるという自信もそうですし、雰囲気もそうですが、やはりハードワークしていたところが大きな要因だと自分は思っています。簡単ではないこの準決勝をどう戦っていくのか。そして自分たちが次に向かうにあたり、今日の試合がどれだけ大事だったか。クラブとしてもすごく大事でしたし、選手たちにとっても大事でした。今日は選手たちが高まっていました。けれどそれ以上にコーチングスタッフやメディカルチーム、フィジカルコーチたちもいて、ここまで準備したからこそ、選手たちは最後の最後まで諦めずに戦う気力を持ってピッチに立ってくれたんだと思っています。本当に彼らに感謝をしていますし、自分たちが次に進むべきチームであることを見せてくれたと思います。 本当にうれしい気持ちです。

Q:決勝に関しては?

とにかく楽しむことです。人生の中で決勝に進める人はそう多くはいません。とにかくこの決勝という舞台を楽しむことが大事ですし、楽しんでいきたいと思います。