Jリーグ開幕から唯一J1を舞台に戦い続ける
クラブ同士の一戦!
1993年創設のJリーグに当初から加盟する10クラブを、人々はリスペクトを込めて"オリジナル10"と呼ぶ。その並みいる"レジェンド"のなかでも33年間、ただの一度も降格せず、トップカテゴリーに籍を置くのが横浜F・マリノスと鹿島アントラーズ。リーグ優勝は前者が5度、後者が8度を数え、名実ともに日本を代表するフットボールクラブである。
その両者は日本トップリーグを長らく牽引するにふさわしい名勝負を繰り広げてきた。
一つが、横浜F・マリノスがのちに初めてリーグ制覇した95年、ファーストステージ初優勝を懸けた三ツ沢での真夏の大一番。往年の名選手・メディナベージョの豪快な一発で先制し、当時、気鋭の井原正巳を中心としたDF陣が鹿島の怒涛の反撃をシャットアウトする。優勝が決まった瞬間、今では考えられないが、大観衆のサポーターがピッチになだれ込み、至福の歓喜を分かち合った伝説の一戦となった。
近年で思い出深いのは3年前のアウェイ戦。当時の県立カシマサッカースタジアムといえば、リーグ戦9連敗中と鬼門中の鬼門の地。CB角田涼太朗らの好守やボランチ岩田智輝のリスク管理が冴え、無失点のままゲームを推移させると、終盤に自慢の攻撃陣が爆発する。82分のアンデルソン ロペスのダイビングヘッド弾を皮切りに、終わってみれば、わずか13分間に3発を集めての完勝。蔓延していた苦手意識を断ち、今にも続くパワーバランスを逆転させる転換点となった。
The CLASSIC――。
このコピーには70回もの激闘で育んできた両者のプライドと歴史が詰まっている。