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横浜F・マリノス マリノスタウンからの移転に関するお知らせ

クラブ

2015.05.21

横浜F・マリノスは2016年5月にマリノスタウンの定期借地契約が満了となることを受け、新たなオフィスを新横浜公園近隣地に確保し、チームの練習場として新横浜公園内施設を利用することになりましたので、お知らせ致します。
この移転により、ホームスタジアムである日産スタジアムを含む新横浜公園の活性化をはじめとした新たな地域貢献に努めてまいります。

クラブはマリノスタウンの定期借地契約が2016年5月に満了することを踏まえ、数年前から横浜市及び日産自動車と相談し、様々な検討を重ねてまいりました。本検討に当たり、クラブは、トップチーム、育成組織、スクール事業等の活動の継続性はもちろん、それらに必要な仕様、コスト、投資採算性、そしてクラブとしての収益構造等、あらゆる視点で精査した結果、クラブがこの5年間掲げて続けてきた「持続可能な成長」を実現するための方策の一つとして、今回の移転を決定致しました。

今回の決定によりマリノスタウンでの活動は、

  • ・横浜マリノス株式会社本社機能:2015年12月末終了予定。
  • ・トップチーム:2015年12月末終了予定。
  • ・育成組織及びスクール事業「みなとみらい校」:2016年3月末終了予定。
  • ・オフィシャルショップ「トリコロールワン」みなとみらい店:2015年12月末終了予定。

と致します。

2016年1月以降の活動は、

  • ・横浜マリノス株式会社本社機能:新横浜公園近隣施設にオフィスを確保する予定。
  • ・トップチーム:新横浜公園内施設を中心に使用する予定。
  • ・育成組織:横浜市内に練習施設を確保し使用する予定。

と致します。

スクール事業「みなとみらい校」に関しては、「みなとみらい校」に代わる施設を確保し、開校する予定です。本件に関しては、決まり次第、関係者の皆様には書面にてご連絡するとともに、他の施設の確定情報と合わせて公式サイトにて発表させて頂きます。

移転を決定した背景ならびに経緯について、以下に補足させて頂きます。

クラブは2010年以降、「持続可能な成長」を実現できる経営基盤を確立するために、様々な経営改革に取り組んでまいりました。この持続可能な成長を支える柱は以下の3つです。

  • ① トップチームのパフォーマンスをJリーグトップクラスに高め、ホームタウンやファン・サポーターの皆さまをはじめとする全てのステークホルダーの期待に応え続けること
  • ② トップチームのパフォーマンス以外の領域においても、サッカーを通してホームタウンの活性化に貢献し、F・マリノスがホームタウンにとってなくてはならない存在になること
  • ③ これらの活動や成果に必要な原資を無理なく確保できる収益構造を確立し、これを将来にわたって維持し続けること

これら3つの柱を太く確かなものとするために、まずクラブとして取り組んだことは、「親会社に過度に依存しない経営体質への転換」でした。もちろん、日産自動車の様々な支援はクラブにとって不可欠ですが、それに余りにも依存し過ぎる体質は健全ではありませんし、真の意味で持続可能な構造ではありません。従って、我々自身の手で出来る限り売上げを伸ばし、収益性を改善して行くという原点に立ち戻ることが必要でした。

最初に着手したのは入場者数の増加です。それまでの横浜F・マリノスの入場者数は、Jリーグ全体の傾向と同様に減少傾向に歯止めがかかっていませんでした。この状況を劇的に変えるために、2010年の入場者数の目標を前年比20%増とし、これを達成するためのプロジェクトを立ち上げました。クラブスタッフのアイデアを結集するためのユニークな3つのチーム活動を通して提案された斬新なアイデアは50を超え、これらを実行に移した結果、Jリーグ全体が入場者数を減らす中にあって、16.4%もの増加を実現することができました。

次に、この成功体験をエネルギーにしてチャレンジしたのが、MAP13という2011年からの3ヵ年計画です。これは2010年に達成した成果をすべての領域において3年間、直線的に達成し続けるという非常にハードルの高い事業計画でしたが、この極めて難易度の高いチャレンジの背景にあった最大の狙いはマリノスタウンに要するコストを吸収する収益構造の実現という命題への挑戦でした。

このチャレンジでは、6つのチーム活動を通して144項目の斬新なアイデアが提案され、それらを全て実行した結果、最終年度である2013年度には2009年度との比較で、入場者数を25%増加させることに成功し、他の売上も過去最高水準を達成して、目標の1つであった自力による黒字化を実現しました。

また、この間、売上の拡大によって確保した原資をもとに、継続的な強化を続けた結果、トップチームの成績も2009年の10位から、8位→5位→4位と着実に改善し、2013年は最終戦で惜しくも優勝を逃したものの、天皇杯を獲得することができました。

以上の活動によって、クラブは長年続いた負のスパイラル(成績・収益ともに右肩下がり)から脱出し、成長のスパイラルに入ったという確信を持ちましたが、同時に、限界も見えて来ました。

2013年度は上述の通り、過去最高の入場者数、各種売上、賞金等によって、辛うじて900万円の黒字という結果でしたが、これは次のような問題を改めて浮き彫りにしました。すなわち、チーム成績を含むあらゆる条件が整えば赤字を回避するポテンシャルがあることが検証出来た一方で、例えばチーム成績が少しでも低迷したり、天候不順で入場者数が伸び悩んだり、あるいはリーマンショックのような大不況によってスポンサー企業が撤退したり、といった不測の事態が起きた場合は、かなりの確率でクラブは赤字に転落する、つまり、構造的には依然、赤字体質であり、マリノスタウンのコストを吸収することは非常に難易度が高い課題であることが図らずも検証されました。また、ちょうどこの頃、Jリーグではクラブライセンス制度の導入が決まり、特に「財務基準」が、この赤字構造という現実に大きな影を落とすことも明らかになりました。

この現状認識と環境変化を踏まえ、2014年には改革の第2章として、シティフットボールグループ(CFG)との資本提携を検討・実施しました。その狙いは、チームの革新的な強化と、クラブの経営基盤をグローバルな視点から、より安定・強化して行くことですが、これによって、先に述べたような赤字に至るリスク要因、すなわちチーム成績の低迷や収益の悪化などを可能な限り回避することを狙いました。

このうち、チーム強化に関する成果は既に出始めています。1つはエリク・モンバエルツ監督の招聘による欧州の先進的な戦術、トレーニング方法の導入と、チームパフォーマンスの改善です。そしてもう1つはアデミウソン選手の獲得です。また、その過程で、F・マリノスとしてのフィロソフィーの体系化や、チーム編成に必要な標準の整備など多くの「グローバルスタンダード」を学んで来たことも今後の安定的・持続的なチーム強化のためには大きな成果だと考えます。一方、ビジネスに関しても、既に様々なプロセス、システム、情報が共有され、今後、具体的な成果が出るという段階にまで来ています。

このように2010年以降、様々な角度から経営改革を進め、一定の成果を挙げてまいりましたが、同時に、改革の進捗とともに、収益構造上大きなリスク要因であることが鮮明になったマリノスタウンのあり方については、定期借地契約が満了となる2016年5月を念頭に置きつつ、様々なケースを想定し、あらゆる選択肢を検討してまいりました。

そのプロセスで最も重要視したことは「顕在化している高いリスクを決して後世に残してはならない」ということです。J1の平均と比べ、突出して高いコスト、しかもこれを吸収するのは極めて困難であることが実証されたにもかかわらず、その構造を維持し続けることは、問題の先送りでしかありません。従って、時間の経過とともに検討は「継続」から「移転」を前提とした内容にシフトして行きました。

移転先の検討に当たっては、コストの側面だけではなく、冒頭に掲げた3つの柱を太く確かなものにするという明確なコンセプトを掲げました。例えばトップチームの練習環境の質を維持することはもちろんですが、より質の高いホームタウン活動を推進するための環境整備なども重要なテーマとなりました。そして、長期にわたる検討の最適解としてたどり着いた結論が新横浜地区への移転でした。

新横浜地区への移転は「集結」でもあります。私たちのホームスタジアムである日産スタジアムを中心に、試合も練習も地域貢献活動の拠点も同じエリアに集結することによって、効率性を高め、相乗効果を出しながら、この新横浜が「サッカーの聖地」になることを目指してまいります。また、それらの活動を通して、横浜F・マリノスの新たな貢献のスタイルを築いてまいります。

加えて今回の移転は、「親会社に過度に依存しない経営体質への転換」、「CFGとの提携による事業構造のグローバル化」に続く改革の第3章、「収益構造の抜本的な変革」に相当するものです。これら一貫性、継続性のある改革によって、横浜F・マリノスは将来にわたり揺るぎない経営基盤を持つクラブに進化してまいります。

今回の移転に伴い、多くのステークホルダーの皆さま、並びにファン・サポーターの皆さまに様々なご不便・ご迷惑をお掛けすることになりますが、以上のような状況をご理解頂きますようお願い申し上げます。

横浜マリノス株式会社
代表取締役 嘉悦 朗

FAIR PLAY, FAIR SUPPORT

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